シャイニーな万年筆とSheenなインク
前回、10周年記念限定版プレジールにインクを入れて、字を書いたところで記事を終えました。
「猫に小判■」と書いたこのインクは、こちら。
KWZ(カウゼット)インクのSheen Machine(シーンマシーン)というインクです。
こちらもナガサワ文具で以前、購入したインクなのですが分け合って最近全然使っておりませんでした。
このインク、Sheenというだけあって照るのです。
照るとはどういうことかというと、先ほど書いた文字、真上から見ると普通ですが、角度を変えていくと…
このとおり。
インクが濃く出ている個所が赤みがかったメタリックカラーのような色に変化します(※注1)。
自分が万年筆を使いだしたのは2012年ぐらいだったと思うのですが、そのころはこういったギミックを売りにしたインクというのはありませんでした。
しかし、ブルーブラック系(セーラーのインクが多かったかな)で乾いてくると同じように赤っぽく照り返しが発生するインクがあり、当時は「レッドフラッシュ」とか呼ばれてあんまり歓迎はされていなかったような記憶があります。
「記憶があります」というのもあいまいな物言いで申し訳ない気もしますが、万年筆を趣味とされている方のブログをさかのぼってみて頂ければ同様の記述にはお目にかかれるかと。
しかしそれから8年が経ち、シーンマシーンも青ベースだけでなく緑ベースで赤光りするものもあります。他にもラメ入りインク(※注2)や書く紙によって色味が変わる遊色インクなんていうのもあり、今や品ぞろえの充実した文具店に行った日にはインクだけで迷えること請け合いというぐらいの多様さになっています。
仕事で万年筆を使う場面って、ボールペンに比べるとやっぱり少なくなりがちなので、インクの色みそのものだけじゃなくて、こんなふうに楽しめる要素が増えるっていうのは普段使いしていく上でとてもいいことなんじゃないかなと。
あ、なんでシーンマシーンを使ってなかったかの話を忘れてました。
実はこれ、総じてインクの粘度が高めになっているんだそうです。コッテリしてる方が照り返しが出やすいからかな?
なので、他のインクと比べてとにかくペン先が乾きやすい。
乾燥防止用のインナーキャップがついてる万年筆はままあるとはいえ、ものによっては一週間しないうちに書けなくなることもあるんです。まめに使えばもちろん問題ないんですけどね。
となると、インナーキャップの気密性が一番の売りになっているプレジールを使おうという発想に自然になるわけです。私だけかもしれませんが。
なお、300円のプレピーでも同じようにインナーキャップが付いているので、気になる方は試しにやってみるのもいいかもしれませんよ。
インクが2000円超えで、容量多めだからなかなか減らないけど!
※注1 ただ、紙によっては全然照らないことがあります。書いたそばから浸透していくような紙よりしばらくインクが乗る感じの紙の方が良いと思う。
※注2 どちらかというとつけペン推奨のようですが、使えないことはない。