納豆の快楽
「豆を納めると書いて納豆、豆が腐ると書いて豆腐。逆やろ」嘉門達夫のCDからのネタ。
本当、なぜだろうねーなどと笑っていたのだが、この本を読んで語源を知ることになった。
醸造学の専門家で、発酵食品は研究するのも食べるのも大好き!という著者の本なので納豆激推しである。
まず美味い。うまみの基になっているグルタミン酸が大豆には多量に含まれている。米の飯に合い、消化酵素のおかげで丼飯の早食いにも合う。たんぱく質・アミノ酸・ビタミン・亜鉛など栄養も豊富だ。
さらには食中毒の予防にも効果を発揮する。
培養基を観点で固めた培地の上で、納豆菌と病原性大腸菌を一緒に増殖させますと、納豆菌はその増殖力の速さと威力のために大腸菌を淘汰してしまい、納豆菌のみの世界になってしまうのです。
納豆菌が体に良いのは聞いていたがこれほどまでとは知らなんだ。
そのほか納豆の歴史や分布、食文化論までみっちり詰まっている。これ一冊で納豆マニア入門としては充分だ。
後半は丸々オリジナルの納豆レシピの紹介となっているから知識だけでなく食べる分にも実用性バッチリである。
納豆がお好きな人にはたまらない一冊。苦手な人は受け付けられないかもしれないけど、そもそも苦手だったら表紙を見ただけで買わないか。
納豆の快楽 (講談社文庫) (2006/12/15) 小泉 武夫 商品詳細を見る |
ちなみに、納豆の語源は藁に包む、室で保管するなど「納める」工程が主だからだそうです。