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黒いカーニバル(新装版)

華氏451度』や『火星年代記』などで有名なレイ・ブラッドベリの初期の短編集。初出は1947年。ゴジラより7年も早い。

もちろん、内容のほうは古臭くなんかはない。ほとんどSFを読んだことがない人や1~2年前から急にSFにはまりだしてここ最近の話題作を片っ端から読んだような人でも充分に楽しく読める短編が並んでいる。

ただ、“楽しく読める”と書いてしまったけどコミカルなのやハートウォーミングなのはまるでない。

収録短編24本(2話の続き物含む)のうち、誰かが死んでしまったり消滅してしまったりする話がやたらと多いのだ。

悪行の報いで最後に命を落とす羽目になる人間もいるし、理不尽にも悲惨な目にあうような人物もいる。

きれいにまとまってハッピーエンドらしく終わっているのは個人的には1本だけしかないように感じた。

それでも、良い短編集なのは間違いない。人によるかも知れないけど、悲惨な結末の話であっても読んだ後にいやな気分になるということはなく、懐かしの日本昔話や海外童話劇場でたまにあったような怖めの話を見たときのような感じだ。

黒いカーニバル (ハヤカワ文庫SF)黒いカーニバル (ハヤカワ文庫SF)
(2013/09/05)
レイ ブラッドベリ

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